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わたしはショートケーキが嫌い
第8章 他人事



「無事だといいよな」

「そうだね」

「本当に無事だといいよな‥‥」

「そんなに親身になって心配するほど長谷部さんと仲良しだっけ?」


不自然に長谷部さんの身を心配する恭平にクスっと笑いながら俺は意地悪を言った。
恭平がちょっとしつこかったから、つい意地悪をした。

恭平は俺から目を逸らし、『クラスメイトだしな』と言葉を返した。



『長谷部を誘拐したやつ捕まればいいな』

『まだ犯人捕まらないよな』

『長谷部無事だといいな』


長谷部長谷部長谷部長谷部長谷部長谷部長谷部長谷部。

不謹慎な事が嫌いで正義感が強い恭平がやたらしてくる長谷部さんの話し。
まるで周りのひとでなし達と同じように長谷部さんの話しを振ってくる恭平は、不自然でしかなかった。

だから俺はなんとなく分かっていた。

多分恭平は勘付いている。

ーーー俺が長谷部さんの事件に関与していることを。

だから長谷部さんの話しをわざわざ振って探りを入れているんだろう。
下手くそな探りを。
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