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【寵姫】籠の中の牝獣たち
第2章 第一章 歪み
柔らかい素材のワンピースは彼女の膨らみに忠実に従って、体のラインを浮き立たせた。胸で一度膨らみ、下に降りていくと腰の辺りで再び膨らむ。どちらかといえば、彼女は腰の方に豊かな膨らみを持っていて、横から見ると重力に逆らうような臀部が、布地の下から存在を主張した。

白と紺で出来た室内着は丈が短く、太股が半ばまでしか隠れていなかった。腰の膨らみから降りてくる太股は軟らかさを残しながら弛緩を許さず、艶かしい曲線を作り出している。

その曲線がたどり着く先では、裸足の親指同士を引っかけ合うように手遊び(足遊び、とでも言うだろうか)をしていた。

やや下を向いた少女は上目がちに智恵子へと視線をやった。

「それに、智恵子さんがしてくれないと、寝付きが悪くて……」

「何か、してほしいのですか?」

「いつもしてるでしょ」

「おっしゃっていただけますか?今日は、私もいささか疲れてしまいまして……」

嘘である。智恵子は、相手の反応を見ていた。
何度か口を開くが、その度に躊躇うようにうつ向いてしまう。白かった肌に、だんだんと朱を帯び始める。

これから智恵子がすることが普通のことだと認識しているが、口に出すのはためらうほど恥ずかしいのだ。
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