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砂の人形
第5章 引力
彼が何を考えてるか、分からない。私のために沢山のことをしてくれたのに、愛していないという。私の体があんなに喜んでいるときに、テルベーザは何も感じていないのかもしれないと思うと、やり切れなかった。
でも、もしかしたらって思う時もあるの。
さっき、ペテ様にやきもち妬いてくれたのかもしれない。昨日は私の中で、こぼしてくれた。私のこと。少しは、手放したくないって思ってくれた? 私があなたに対して思うのと同じように。無力なくせに、どうしても消すことのできない想いに苛立ってくれた? それなら私たち、気持ちだけでも繋がっていられる気がする。
興奮を通り抜けて恍惚に包まれる頃、テルベーザの指に舌を這わせていると、彼は私の太ももを掴んで開かせた。
「いい、テルベーザ。砂を浴びるから」
「駄目です」
「でも……」
「いいから」
テルベーザの手が広がって、私の口を覆ってしまった。
「させてください」
それから、返事も聞かずに舌を絡めてきた。いつもと同じ決まりきった作業。後ろまで垂れたものを舐めとり、緩んだ窪みに舌を押し込んで拭う。
その後、押し殺した吐息が肌をくすぐって。その上の芽を、唇が軽く吸い上げて離れた。
「よく眠ってください」
その言葉通り、私はすぐに眠気に襲われた。それにあの、海の夢も見なかった。