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第38章 プールの授業～授業開始～　【美緒編】

　去年や一昨年と同じように、クラスの男子たちだけでなく、杉浦のいやらしい視線まで受けていた美緒。

　だが、そうして見られたり、セクハラめいた感想を口に出されたりしたものの、これといって特筆すべき出来事もないまま授業は進んでいった。

　泳ぎが得意で、プールの授業自体はむしろ好きな気持ちの方が強い美緒にとっては、何よりそうした視線や野次こそ、心を沈ませる一番の理由にはなっていたが。



　じりじりと照りつける暑い日差しの中、美緒はなるべく周囲を気にしすぎないように努力しながら、授業をこなしていった。