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いとかなし
第11章 きみにこい いたもすべな
声を塞ぐ口付けに快楽だけが増幅していく。

「やっあぁっ、け、し…だめっ、ああぁっ」

「いとっ、イクっ、て、教えろよっ」

「いっ、くっ、イクッ、いっちゃ、ああっあぁっ–––…」

糸が啓司のしがみ付いた方に爪を立てて。

「っは、俺も…っ…」

びゅるっびゅるっとゴムに精を解き放つ。

薄いゴム越しにでも、啓司の陰茎がびくびくと吐き出しているのがわかった。

じんわりと下腹部が温まるような、それにつられるように胸がいっぱいになった。

「重い…?」

肘で体を支えながら、糸にのし掛かっている啓司。

その重みすら心地いい。

「ん、全然」

「やべー…ゴム半分以上無くなっちゃった」

箱のふたは開けっ放しで、糸は真っ赤になって啓司の首に抱きついた。
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