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いとかなし
第11章 きみにこい いたもすべな
「はい、週末に温泉へ」

「へぇ、そりゃしかとリフレッシュ出来たって事で午後の会議資料頼むな?」

「はい」

朝礼を終えると仕事にかかり、時間配分を考えながら資料を作り会議室へ運んだ。

両手に抱えたままでドアが開けられず、右往左往しているとドアが開いた。

「お疲れ様です、どうぞ」

「ありがとうございます」

会議室に居たのは綾時と。

「システム部の黒柳です、初めまして」

「まだ先月転勤してきたばかりだからな、初対面だろ?」

「そうで…「俺は知ってましたよ?」

綾時が何でだよと手を止めた。

「総務の宮野さんと仲いいんですよね?」

千津子繋がりと言われれば頷くしかない。

「宮野さん綺麗じゃないですか、だから興味あって」

涼やかな笑顔の黒柳と目が合った。
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