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第12章 まちいでても　いかにながめん　わするなと

「脱がしてあげる」

背中を向けさせ、ブラのホックを口で外す。

背中に当たる唇の熱さに糸は身震いをした。

唇は触れるか触れないかで背中を落ちていく。

「…ンッ…はっ…」

時々舌で舐められながら落ちていき、腰骨の辺りでキツく吸い上げられた。

「…ぁあっ…」

避けたい訳ではないのに、腰が捩れる。

緩やかに纏ったズボンをショーツごと引き下ろす。

「ああっ、やあ…」

まろび出た柔尻をやんわりと掌に収める。

「んうっ…そ、な…ぁっ…」

やわやわと尻肉を揉みほぐす啓司の手つきはいやらしい。

親指が太ももの内側を指圧するたびに、小刻みに腰が震える。

心とは裏腹に身体はそれ以上の快楽を欲しがってお尻を突き出してしまう。

「入ろうか」

浴室までの扉に縋るように凭れ掛かる糸を見上げて、啓司は着ていた服を脱ぎ捨てた。