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いとかなし
第13章 こいすちょう わがなはまだき たちにけり
糸の通っていた中学はサッカー部の強豪校で、女子からの人気も凄く、放課後の練習を見に他校からも女子が押し寄せていた。
中でもキャプテンの子の人気は凄まじく、糸は確か友達がそのキャプテンに片思いをしていて付き合って練習を見る事もしばしばあった。
「クロ先輩…だよね?先輩と賢都くんにどういう…」
「クロ先輩のフルネームは?」
「えっと…クロ…黒…や、なぎ…」
苗字が出た時点で顔を上げる。
「黒柳 隼人、俺の兄貴」
「えっ?!クロ先輩の?!」
頷く賢都に、糸は世間の狭さを感じずにいられない。
「バレンタインにさ、チョコレート渡しに家まで来たの覚えてる?で、みんな兄貴にだけ渡すのに、糸さんだけは俺にもくれたんだよ」
中でもキャプテンの子の人気は凄まじく、糸は確か友達がそのキャプテンに片思いをしていて付き合って練習を見る事もしばしばあった。
「クロ先輩…だよね?先輩と賢都くんにどういう…」
「クロ先輩のフルネームは?」
「えっと…クロ…黒…や、なぎ…」
苗字が出た時点で顔を上げる。
「黒柳 隼人、俺の兄貴」
「えっ?!クロ先輩の?!」
頷く賢都に、糸は世間の狭さを感じずにいられない。
「バレンタインにさ、チョコレート渡しに家まで来たの覚えてる?で、みんな兄貴にだけ渡すのに、糸さんだけは俺にもくれたんだよ」