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いとかなし
第14章 おもいねに わがこころから
「ふふっ、ほら啓司が探してるわよ、ここは奢らせてね」

窓の向こうに啓司を見つける間に、深月はレジへ向かった。

慌てて荷物を持つけれど、深月はスマートに会計を済ませ、ちょうど二人で店を出た。

「ごちそうさまでした」

「こちらこそ、お話しできて嬉しかったわ、啓司!!」

手を挙げた深月に啓司が気づいて駆け寄ってきた。

「待たせてごめん、何、深月も来てたの?」

「大島さんの様子が気になったのよ、大した事無さそうで安心したから帰るわ」

「ああ、また火曜日にな」

ひらひらと手を振って去っていく深月を見送る。

「思ったより早く終わったし、デートする?」

「する!」

差し出された手を満面の笑顔で握り返す。


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