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いとかなし
第14章 おもいねに わがこころから
シネコンが併設されたショッピングモールであれこれと見て歩く。

可愛いパスタ皿を見つけてお揃いで購入したり、秋物の服を覗いたりと短いながらも一時のデートを満喫した。

帰り間際に出入り口の側で立ち止まる。

「ジェラートだって!食べたい」

ショーケースを覗き込み、糸はベリー系を、啓司はピスタチオを頼んだ。

「そう言えば初めて会った日もこうやってアイス食べたよね」

啓司に言われて、ボトル型のアイスを分け合ったことを思い出す。

あの頃はまだ啓司と恋人同士になれるだなんて思っていなかった。

「まだ時間あるしドライブしようか」

まだほんのりと夕焼けが残り空に星が輝き始め、街の灯りが鮮やかに煌めきだした。
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