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いとかなし
第2章 あふことの たえてしなくは なかなかに
トランクに荷物を乗せた後、座席に座ってアイスを分けた。

2つに分けられるボトル型のそれに、同じ様に吸い付くと顔を見合わせて笑う。

「ちいちゃん、心配してた」

視線を上げると、啓司の目は暖かく糸を見つめている。

「ごめん、真千子から聞いた」

曖昧に言葉を濁す糸の頭を、啓司が優しく撫でる。

「偉いな」

ぐっと喉の奥が詰まるけれど、奥歯を噛み締めてどうにか耐えた。

「でね、提案なんだけど、真千子の家じゃあ流石に狭いでしょ?俺んちに来ない?」

「え…ええ?!」

今日初めて会ったばかりなのに、あれもこれもすっ飛ばした提案だった。
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