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いとかなし
第15章 ゆうづきし おおいなせそくも
糸はふゆの姿を目にすると駆け寄った。
「ふゆ!ふゆ!!」
最後の力を振り絞るようにふゆの目が薄っすらと開く。
尻尾がゆらりと揺れた。
「…っ…ふゆ…ありがと…っ…待っててくれたの…?ふゆ…ふゆ、大好きっ…」
ふわりと尻尾が揺れて、ゆっくりと落ちていく。
「ふゆ…っ…ありがとう…」
目が閉じ、ふうっと息が漏れた。
「ふゆ…?ふっ…ぅっ…」
隣に座っていた啓司が、糸の肩を抱く。
よるがふゆに寄り添う様に丸まった。
「ふゆ、待っててくれたね」
声にならなくて、只々頷くしか出来ない。
後から後から溢れてくる涙を止める術が見つからなくて、まだぬくもりの残るふゆの体をゆっくりと撫でた。
「ふゆ!ふゆ!!」
最後の力を振り絞るようにふゆの目が薄っすらと開く。
尻尾がゆらりと揺れた。
「…っ…ふゆ…ありがと…っ…待っててくれたの…?ふゆ…ふゆ、大好きっ…」
ふわりと尻尾が揺れて、ゆっくりと落ちていく。
「ふゆ…っ…ありがとう…」
目が閉じ、ふうっと息が漏れた。
「ふゆ…?ふっ…ぅっ…」
隣に座っていた啓司が、糸の肩を抱く。
よるがふゆに寄り添う様に丸まった。
「ふゆ、待っててくれたね」
声にならなくて、只々頷くしか出来ない。
後から後から溢れてくる涙を止める術が見つからなくて、まだぬくもりの残るふゆの体をゆっくりと撫でた。