この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第17章 まよいそめし ちぎりおもうが
普通の関係でもあり得ないのに、糸と賢都の関係で成立するはずが無い。
「啓司さんの事が好きなのに…」
「揺れた?」
躊躇った後に、小さく頷いた糸は正直だ。
「啓司さんも…見てたみたい」
「告白を?キスを?」
「どこからかはわからないけど…」
賢都の気持ちを知ってるだけに、千津子はどちらかというと啓司の大人に対応より賢都のがむしゃらな姿勢を応援したかった。
啓司は完璧だけれど、大人過ぎて不安になる。
自分ばかりが高揚して落ち込んで…大事にしてくれてるのはわかるのに、優しすぎて…もっと激しく求められたい余裕なんて無いくらいに。
それは我儘だろうか。
家においでと言った啓司と、自分のところに来て欲しいと言った賢都と…千津子には同じに思える。
「啓司さんの事が好きなのに…」
「揺れた?」
躊躇った後に、小さく頷いた糸は正直だ。
「啓司さんも…見てたみたい」
「告白を?キスを?」
「どこからかはわからないけど…」
賢都の気持ちを知ってるだけに、千津子はどちらかというと啓司の大人に対応より賢都のがむしゃらな姿勢を応援したかった。
啓司は完璧だけれど、大人過ぎて不安になる。
自分ばかりが高揚して落ち込んで…大事にしてくれてるのはわかるのに、優しすぎて…もっと激しく求められたい余裕なんて無いくらいに。
それは我儘だろうか。
家においでと言った啓司と、自分のところに来て欲しいと言った賢都と…千津子には同じに思える。