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いとかなし
第17章 まよいそめし ちぎりおもうが
ふふっと悪い事言ってるねと笑う千津子に、糸の気持ちは少しだけ軽くなった。
「でもね、あの家にいるのが…」
「うん、狡いって思うんでしょ?最初は避難所だったわけだし、いいんじゃない?ちゃんと答え出してからにしなよ」
千津子を駅で見送って、ホームで電車を待つ。
メールを開き、これから帰る旨を啓司に送信した。
「糸さん!」
はぁはぁと肩で息をするのは賢都だった。
「お疲れ様です!もしかしてと思って走って良かったー」
そこそこ人で溢れているホームで、自分を見つけてくれる。
それに喜ばない人などいるだろうか。
悪い気持ちかもしれないけれど、抱かずにはいられない。
「お疲れ様…」
「…良かった、避けられるかと思ってました」
「でもね、あの家にいるのが…」
「うん、狡いって思うんでしょ?最初は避難所だったわけだし、いいんじゃない?ちゃんと答え出してからにしなよ」
千津子を駅で見送って、ホームで電車を待つ。
メールを開き、これから帰る旨を啓司に送信した。
「糸さん!」
はぁはぁと肩で息をするのは賢都だった。
「お疲れ様です!もしかしてと思って走って良かったー」
そこそこ人で溢れているホームで、自分を見つけてくれる。
それに喜ばない人などいるだろうか。
悪い気持ちかもしれないけれど、抱かずにはいられない。
「お疲れ様…」
「…良かった、避けられるかと思ってました」