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いとかなし
第17章 まよいそめし ちぎりおもうが
それは賢都のせいではないのだけれど。
曖昧な笑みを浮かべても、それすら賢都は喜んで笑顔を向けてくる。
「…私、ここだから」
「はい」
ホームに降りて振り向くと、一緒に降りる賢都。
「!だからっ…!」
「すぐ次の電車来るし、改札まで見送らせて、ちょっとでいいから…一緒にいたいです」
「困る…っ…」
「じゃあ、彼氏さんと別れて俺のところに来て」
「それは…」
「嘘です、でも改札までぐらいいいでしょ?はい、行くよ」
どちらが最寄りの駅なのかわからないくらい、賢都は糸の手を引いて改札へと向かう。
階段を下りると改札が見えてきて、賢都は人波を外れた。
「も、う、ここで…!」
「今日も糸さんが好きです、たぶん明日も」
振り払おうとした手が止まる。
曖昧な笑みを浮かべても、それすら賢都は喜んで笑顔を向けてくる。
「…私、ここだから」
「はい」
ホームに降りて振り向くと、一緒に降りる賢都。
「!だからっ…!」
「すぐ次の電車来るし、改札まで見送らせて、ちょっとでいいから…一緒にいたいです」
「困る…っ…」
「じゃあ、彼氏さんと別れて俺のところに来て」
「それは…」
「嘘です、でも改札までぐらいいいでしょ?はい、行くよ」
どちらが最寄りの駅なのかわからないくらい、賢都は糸の手を引いて改札へと向かう。
階段を下りると改札が見えてきて、賢都は人波を外れた。
「も、う、ここで…!」
「今日も糸さんが好きです、たぶん明日も」
振り払おうとした手が止まる。