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いとかなし
第18章 ますらおも かくこいけるを
深月はそれから付き合って居た頃や、今までの歴代の彼女たちの愚痴を纏めて面白おかしく話した。
そのどれもが啓司は仕事や仲間が一番で、当たり前の様に彼女を放ったらかしていたと言うものだった。
「お願い…と言うのは重いんだけど、啓司のこと、全部知ってから別れるか考えてあげて」
席を立った深月を駅まで送る。
「糸さん、ケーキ好き?」
「はい」
「前に美味しいケーキ屋さんを啓司に訊かれたの、糸さんの笑顔が見たいからって、啓司の口からそんなセリフがでるなんて、その夜は槍でも降るんじゃないかと思ったわ」
いつだったか今日と同じケーキの箱を持って帰ってきた事があった。
「啓司の優しさは…糸さんが望むものとは違うかもしれないけど、あの優しさは…失う事の恐怖の裏返しよ」
そのどれもが啓司は仕事や仲間が一番で、当たり前の様に彼女を放ったらかしていたと言うものだった。
「お願い…と言うのは重いんだけど、啓司のこと、全部知ってから別れるか考えてあげて」
席を立った深月を駅まで送る。
「糸さん、ケーキ好き?」
「はい」
「前に美味しいケーキ屋さんを啓司に訊かれたの、糸さんの笑顔が見たいからって、啓司の口からそんなセリフがでるなんて、その夜は槍でも降るんじゃないかと思ったわ」
いつだったか今日と同じケーキの箱を持って帰ってきた事があった。
「啓司の優しさは…糸さんが望むものとは違うかもしれないけど、あの優しさは…失う事の恐怖の裏返しよ」