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いとかなし
第3章 昔はものを 思はざりけり
昼からは郊外のホームセンターへ向かった。
「ベッドは?」
「いらないです」
「机は?」
「いらないです」
「…糸ちゃん、いらないばっかじゃ来た意味ないでしょ」
「だって甘利さん家、必要なものは揃ってるし、本当にいらないんです」
納得できないらしく唇を尖らせる啓司。
結局買ったのは歯ブラシと布団カバーだけだった。
「夜ご飯何食べたい?」
当たり前のように啓司が尋ねてくる。
「え…と…何でもいいです」
「苦手な食べ物ある?」
「これといってないです」
啓司はそれを聞いて迷いもなくカゴに食材を入れていった。
エコバックと布団カバーが入っている袋をそれぞれ手に下げる。
「どっちか持ちます」
「じゃあこっちお願い」
布団カバーの袋を糸に渡すと、空いた左手の掌を開いたまま何かを待っている。
「ベッドは?」
「いらないです」
「机は?」
「いらないです」
「…糸ちゃん、いらないばっかじゃ来た意味ないでしょ」
「だって甘利さん家、必要なものは揃ってるし、本当にいらないんです」
納得できないらしく唇を尖らせる啓司。
結局買ったのは歯ブラシと布団カバーだけだった。
「夜ご飯何食べたい?」
当たり前のように啓司が尋ねてくる。
「え…と…何でもいいです」
「苦手な食べ物ある?」
「これといってないです」
啓司はそれを聞いて迷いもなくカゴに食材を入れていった。
エコバックと布団カバーが入っている袋をそれぞれ手に下げる。
「どっちか持ちます」
「じゃあこっちお願い」
布団カバーの袋を糸に渡すと、空いた左手の掌を開いたまま何かを待っている。