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いとかなし
第4章 しのぶれど 色に出にけり
男と言えば男、女と言えば女に見える。
「啓司のこと、好きなの?」
「え?えっ?!」
他ごとを考えていた糸は素っ頓狂な声を上げてしまう。
これでは告白したのも同じだ。
「甘利さん…優しいので…」
「あー誰にでも優しいよね」
その同意は同じ人に好意を寄せているという事なのだろうか。
「試してみる?」
眞紘の言うそれが何を指すのかわからない糸。
「睫毛に埃がついてる」
細い指先と共に顔も近づいてくるけど、ふんわりと香る良い匂いに糸は警戒心を抱く間もなく目を閉じてされるがままになった。
「何してんの?!」
怒気を孕んだ声に糸が飛び上がって振り返ると、縁側から啓司が険しい表情で近づいて来た上に、沓脱ぎ石を超えて土足で上がってきた。
「啓司のこと、好きなの?」
「え?えっ?!」
他ごとを考えていた糸は素っ頓狂な声を上げてしまう。
これでは告白したのも同じだ。
「甘利さん…優しいので…」
「あー誰にでも優しいよね」
その同意は同じ人に好意を寄せているという事なのだろうか。
「試してみる?」
眞紘の言うそれが何を指すのかわからない糸。
「睫毛に埃がついてる」
細い指先と共に顔も近づいてくるけど、ふんわりと香る良い匂いに糸は警戒心を抱く間もなく目を閉じてされるがままになった。
「何してんの?!」
怒気を孕んだ声に糸が飛び上がって振り返ると、縁側から啓司が険しい表情で近づいて来た上に、沓脱ぎ石を超えて土足で上がってきた。