この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いとかなし
第4章 しのぶれど 色に出にけり
昨夜はお互い外食だったにも関わらず、今朝もしっかりお弁当が用意され、恒例になった千津子のランチと半分こされる。
「お惣菜作るのが上手な男って普通引くわよね」
「でも美味しいんだもん」
千津子の箸はランチをそっちのけで、五目豆を突き続けている。
「で?啓司さんの事だっけ?」
「ん…甘利さん優しいし…どういう意味なのかな」
「可愛いって、そのままじゃない?」
「でも、しぐれにも言ってるよ?」
シメとばかりに卵焼きを頬張った千津子は真っ直ぐ糸を見つめた。
「つまり糸は自分だけに言って欲しいんでしょ?それってもう啓司さんを好きって事じゃないの?」
「…っ…す、き…好き…」
噛みしめるようにその二言を紡ぐ。
「お惣菜作るのが上手な男って普通引くわよね」
「でも美味しいんだもん」
千津子の箸はランチをそっちのけで、五目豆を突き続けている。
「で?啓司さんの事だっけ?」
「ん…甘利さん優しいし…どういう意味なのかな」
「可愛いって、そのままじゃない?」
「でも、しぐれにも言ってるよ?」
シメとばかりに卵焼きを頬張った千津子は真っ直ぐ糸を見つめた。
「つまり糸は自分だけに言って欲しいんでしょ?それってもう啓司さんを好きって事じゃないの?」
「…っ…す、き…好き…」
噛みしめるようにその二言を紡ぐ。