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いとかなし
第1章 などみをつくし 思いそめけむ
「どう…して…?」
喉に張り付く言葉を、鞄の持ち手を握る手に力を込めて押し出す。
「…何で急に帰って来るんだよ?反則だわ」
女の子の中から引き抜いたモノをティッシュで拭くと、ゴミ箱に投げ入れた。
「歩…何で…」
「彼女サン、つまんないんだってー」
「菜央、うっせーよ」
「言ってたじゃん、便利だけど彼女としては中の下とか〜」
一人置き去りにされたまま、歩と菜央だけで会話が続く。
内容に耳を塞ぎたくなるけれど、体が固まってしまったように指一本動かせない。
「何しに帰ってきたわけ?」
「カード…貸したままだったか、ら…」
「あー…」
がしがしと頭を掻きながら、漁った鞄の中からクレジットカードを取り出す。
「サンキュー、あと同棲解消しね?明日までに荷物纏めて出て行って」
喉に張り付く言葉を、鞄の持ち手を握る手に力を込めて押し出す。
「…何で急に帰って来るんだよ?反則だわ」
女の子の中から引き抜いたモノをティッシュで拭くと、ゴミ箱に投げ入れた。
「歩…何で…」
「彼女サン、つまんないんだってー」
「菜央、うっせーよ」
「言ってたじゃん、便利だけど彼女としては中の下とか〜」
一人置き去りにされたまま、歩と菜央だけで会話が続く。
内容に耳を塞ぎたくなるけれど、体が固まってしまったように指一本動かせない。
「何しに帰ってきたわけ?」
「カード…貸したままだったか、ら…」
「あー…」
がしがしと頭を掻きながら、漁った鞄の中からクレジットカードを取り出す。
「サンキュー、あと同棲解消しね?明日までに荷物纏めて出て行って」