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いとかなし
第1章 などみをつくし 思いそめけむ
淀みなくすらすらと突然に言いだした歩の目は真剣だった。
「ひっどー」
菜央がカラカラと嗤う。
「歩…?」
「糸との生活は楽だけど、楽しくないんだよね、こう、もっとさ、目眩く生活がしたいんだよ、糸とじゃ出来ない」
「何で…急に…」
「良い機会だと思ったから」
鞄の中でスマホが震える。
今は気を利かせてもらっているだけの就業中だ。
「ちゃ、んと…話そう…」
「だーかーらー話すことなんて俺はないから」
どさっと音を立ててベッドに座った歩を、菜央が背後から抱きしめた。
「仕事、早く行けば?」
どうしようもなくドアを開ける。
「鍵、ポストでいいから」
「それ私に頂戴ね?」
「はぁ?やらねーよ」
蚊帳の外の雰囲気に、エレベーターのボタンを押した。
「ひっどー」
菜央がカラカラと嗤う。
「歩…?」
「糸との生活は楽だけど、楽しくないんだよね、こう、もっとさ、目眩く生活がしたいんだよ、糸とじゃ出来ない」
「何で…急に…」
「良い機会だと思ったから」
鞄の中でスマホが震える。
今は気を利かせてもらっているだけの就業中だ。
「ちゃ、んと…話そう…」
「だーかーらー話すことなんて俺はないから」
どさっと音を立ててベッドに座った歩を、菜央が背後から抱きしめた。
「仕事、早く行けば?」
どうしようもなくドアを開ける。
「鍵、ポストでいいから」
「それ私に頂戴ね?」
「はぁ?やらねーよ」
蚊帳の外の雰囲気に、エレベーターのボタンを押した。