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いとかなし
第7章 ひとしれず おもえばくるし
ずっと避けていた筈なのに、急に手のひらを返したように糸に擦り寄るはれ。
「お前…タイミングを計ってたとしたら、とんだ悪猫だな」
聞かないふりで目を閉じるはれ。
結局並んで座り、啓司の胡座の中にはよるとさら、しぐれが丸まった。
静けさに幸せな温かさが混じる。
「こっち見て?」
糸が振り向くと、啓司の真っ直ぐな瞳と絡み合う。
気恥ずかしくなって、俯いてしまう
「逸らさないで、ちゃんとこっち見て?俺の事、すき?」
「すき、です」
「もう一回」
「好き…」
「もう一回」
「好き」
「もう一回言って?」
言うたびに赤くなっていく糸が可愛くて愛しくて、苛めたくなる。
「…っ、甘利さんが…」
「名前で呼んで」
きゅっと唇を噛み締めて。
「お前…タイミングを計ってたとしたら、とんだ悪猫だな」
聞かないふりで目を閉じるはれ。
結局並んで座り、啓司の胡座の中にはよるとさら、しぐれが丸まった。
静けさに幸せな温かさが混じる。
「こっち見て?」
糸が振り向くと、啓司の真っ直ぐな瞳と絡み合う。
気恥ずかしくなって、俯いてしまう
「逸らさないで、ちゃんとこっち見て?俺の事、すき?」
「すき、です」
「もう一回」
「好き…」
「もう一回」
「好き」
「もう一回言って?」
言うたびに赤くなっていく糸が可愛くて愛しくて、苛めたくなる。
「…っ、甘利さんが…」
「名前で呼んで」
きゅっと唇を噛み締めて。