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いとかなし
第9章 こいしなん ゆくえをだにも
逃がさないとばかりに啓司の手が膝の裏から通されて固定されてしまう。

ジュルッジュルッと音を立てて蜜を吸う。

「やあっ、け、しさっ…ぉとっ…」

ちゅっと音を立てて離れた舌はそのまま太腿の付け根を舐めた。

「んふっ…は、ぁあ…」

ぞわりと快感が走る。

太腿を撫でながら、後を追うように舐め上げられる。

「あぁ、ンンッ…やだ、も…ぃっ…」

「糸、イクときはちゃんと言って」

「ンッ、んふっ…イ…ぁ…っく…」

ふるふると頭を振って、下唇を噛む。

「糸、イく?」

「んっ、んーっ」

「ふふっ、いいよ」

啓司は糸のこめかみに唇を寄せると、ぐぷっと音を立てて指を突き入れた。

指先を少し曲げて糸の内壁を探る。
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