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kiss
第10章 hand
 紅に染まっていく頬に、洩れる吐息。
 ……可愛すぎ。
 舌を抜きながら息を吹きかける。
「んひゃっ」
「ふふ。ハヤは耳が弱いんだね」
 濡れた耳たぶから少しずつ下に移動していく。
 跡を残しながら。
「ん……んあ…」
 赤い点。
 所有の証。
 抵抗するように肩を掴む手に構わず、鎖骨に吸い付く。
 まだほとんど浮き出てない未熟な肉体。
 なんて、綺麗なんだろう。
 無駄な毛も生えていない天使の体。
「はうっ」
 小さな突起を口に含んだ途端、ハヤが仰け反った。
 下から弾くように舐め上げる。
 ピンと張った柘榴の実。
 柔らかな弾力。
「なお、ひっ……そこ、やえて」
「そこって?」
 促すように顔を見ると、ハヤは泣きそうに眼を歪めた。
 ああ、言わせたい。
 沢山卑猥な言葉をあの唇から。
 前歯で緩く噛む。
「あっ、づ」
「どこのことかなぁ」
 反対側も指で強く摘まむ。
「やめッッ……おっぱい、んッやえてっ」
 つい責めを止めてしまう。
 脱力したハヤが荒く息をする。
 全く、さあ……
 乳首って言わせたかったんだけど、ずっと良いからまあいいか。
「あ、ハヤまたイったの」
 白濁が滴るそれを指でつつく。
「ひんっ」
「相変わらず我慢できないね」
 前に縛った時は死にかけてたし。
 そこは調教出来ないかなあ。
 くい、と肩の服を引かれる。
 ハヤが真っ直ぐに此方を見ていた。
「なーに?」
 少し恥ずかしそうに唇をすぼめて。

「あの……おればっかだから、直彦も……その、イこ?」

 ちょっと待って。
 この天使はどこでそんな……
 悶絶して俯く美浦を不思議そうに見上げるハヤ。
「おれがするよ?……わっ」
 ぐいっと強く抱き寄せられ、ハヤが上になった。
「な……直彦?」
 その髪を大きな手が撫でる。
 馬乗りになったハヤの尻に硬いモノが当たっていた。
 それに気づいて顔が熱くなる。
「ハヤ……」
「な、なに?」
「このままこっち見て、シて」
 なんのことか悟るのに十秒かかる。
 そして震える手を下に這わせ、ファスナーに指をかけた。
 そちらを向こうとしても、顔に手を添えられて戻される。
「これじゃ……できない」
「僕は出来るよ?」
 ぐっと握られ、ハヤが崩れ落ちる。
 その耳に囁いた。
「でもそしたら、またハヤだけが気持ちよくなっちゃうね」
 少年の心に火が灯った。
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