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kiss
第12章 eye
 兄ちゃんだって、沢山ヤってきたんじゃねえの。
 彼女なんて何人いたんだか。
 くそ。
 いらつく。
 全然ざわつきが出て行かない。
 ごしごしとソコを洗う。
 彼女の舌遣いがまだ残ってるみたいで。
 くそ。
 なんで勃つんだよ。
 壁に手をついて片手で擦る。
 彼女を思い出しながら。
 水滴がぽたぽたと髪から伝う。
 先端を責めながら。
「……ックソ」
 なんで。
 全然気持ちよくない。
 痛いだけ。
 ふっと彼女が消える。
 替わりに、兄ちゃんが肩を掴んだ時が蘇った。
 わき腹をするすると撫でられた感触が。
「っあ、んん」
 急いで腕で口を覆う。
 なんで、声……
 冷たい瞳が俺を見ている。
 チュクチュクと音が耳の傍で聞こえているみたいだ。
「はっあ……」
 浴槽にぐらりとふらついてもたれる。
 タイルに腰を落とし、脚を開いて自慰に浸る。
 びゅっと液体が飛んでも、すぐに勃ち上がる自身を見て呆れる。
 あれだけヤってきたのに。
 彼女との初セックスの日に、なんで。
 なんで、俺は……

 兄ちゃんを思い出してオナってんの?





 風呂から上がってぐったりとソファに寝転がる。
 結局三十分も浴室にいたみたいだ。
 そりゃのぼせるだろ。
 顔が熱い。
 ぼふんと頭にクッションが投げられる。
「いてっ」
「髪乾かせよ」
 その声にびくりとしてしまった。
 兄ちゃんがジンジャーエールを片手に立っている。
「あ、俺も欲しい」
「髪乾かしてからな」
 あれ。
 不機嫌じゃない。
 さっきより穏やかな声。
「今欲しい」
「自分で取れば」
 スタスタとテレビの前に行ってしまう。
 音楽番組を見ながらくつろぐ兄ちゃんの背中。
 俺よりも幅広くて、無駄がない。
 じーっと見てしまう。
 そういや兄ちゃんて俺よりでかいのかな。
 最後に裸を見たのは小学六年だった。
 着替えも下着までだし。
―二人でオナってんじゃねえのって―
 そういえば、兄ちゃんってやるのかな。
 お互いネット依存でそっちから知識を得たから、そういう話題はしてこなかった。
 道具とか使うのかな。
 イキ顔ってどんなんだろ。
 プツンと思考が途切れる。
 くそ。
 何考えてんだ俺。
 バカじゃねえの。
 ドライヤーを取りに洗面所に向かう。
 鏡に向かい、髪をくしゃりと乱す。
「好きだ」
 ああ、馬鹿みてえ。
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