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kiss
第12章 eye
 金曜ロードショー。
 丁度見たいのがやるっていうから、俺は兄ちゃんとお菓子を買い込んでテレビの前に待機していた。
 ポップコーンとポテチとチー鱈と。
 コーラを注いで置いて。
 あと六分。
 前番組も終わり、ニュースが流れる。
 床に座ってソファに並んでもたれて俺達はテレビを観ていた。
「兄ちゃんて、今付き合ってる人いんの」
「いねえよ」
「なんで」
「その質問おかしくね?」
 おかしくないよ。
 俺は知りたいんだ。
 このざわざわを取るために。
「兄ちゃんて、週に何回オナってんの」
「は? さっきからなんだよ」
「なんだろうな」
 手を少しずらして兄ちゃんの指に触れる。
 それを一瞥するも、無視する。
 なあ。
 それって卑怯じゃね。
 今度はぎゅっと上から手を握る。
 流石に兄ちゃんがこっちを見た。
「お前、なんなの。さっきから」
「別に。手握りたくなったから。ほら。怖いと嫌じゃん」
「ホラーじゃねえだろ」
 離されそうになったが、強く握り締める。
 兄ちゃんが眼鏡越しに俺を見つめる。
 でも、まだ。
 あの瞳じゃない。
 だから、まだ大丈夫。
「質問に答えろよ」
「なんのだよ」
「週に何回やってんの。兄ちゃんてゴミもあんま出さねえじゃん。風呂場でだけやってんの」
「……」
 挑発するように上目づかいで兄ちゃんを見る。
 ああ、そろそろ。
 迷惑そうな顔が歪みを外してさ。
 あの真顔になる。
 そうだろ。
 兄ちゃん。
 ギシ。
 あれ。
 天井が見える。
 いつ押し倒されて……
 兄ちゃんの手が胸を押さえているから動けない。
「にい、ちゃ……」
「言ったよな」
「え?」
「気を付けろって」
 うわ。
 来た。
 ぞくぞくと背中がむず痒くなる。
 テレビの音はもう届かない。
 俺の意識は兄ちゃんだけ。
「それって……兄ちゃんもホモってこと?」
 笑いながら。
 いつでも逃げれるように。
 なのに、意に反して兄ちゃんは頬に手を添えてくる。
 熱い。
「なんか云えよ」
「いや、お前は馬鹿なのかって」
「え?」
 兄ちゃんが目を細める。
 意地悪く。
 なに。
 なんだよ。
「兄ちゃん、”も”?」
「あっ……それは先輩達と」
「お前は?」
 耳を触られてびくりと跳ねそうになる。

「お前は、違うの?」
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