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kiss
第12章 eye

 漏れ出た精液が、ビクビク痙攣する太ももの狭間に伝っていく。
 ローションを塗っておいたバイブは段々とスムーズにスライドできるようになってきた。無意識に唇を舐めて、その収縮する穴を凝視していた。赤く艶々のそこに、これから何をするのか想像するだけで固くなってくる。
「と、止めろって、んあっ」
 絶頂の合間のクリーンな思考に戻ったのか、手錠を鳴らす音が強まる。
 そんな涙目で。
 迫力ねえよ。
 ばあか。
「わかってないな、もうとっくに手遅れだって」
 ググッと押し込んだ先が肉壁にめり込み、一際大きく腰が跳ね上がった。
 危うくマッサージ機が蹴り飛ばされるところだった。
「あああっ」
 短くスライドして同じ場所を小突く。
「だ、だぁめっそこ、タンマッ。やっあ」
「おっけえ」
 予告なくズプン、とバイブを引っこ抜く。
 悲鳴に近い高い声が飛び出した口をぎゅっと結んで、恨みの形相でこちらを睨みつける。
 嫌だろ、好き勝手されるの。
 こっちはすっげえ楽しい。
 バイブをベッドの足元に投げ捨て、黒手袋をはめてプラスチックのケースの蓋を回して外す。
 どろりとしたジェルを指先にたっぷりつけてから、蕾に中指を押し当てた。
「ひっ……な、にそれ」
「乾かないようにと、熱くしてくれるゼリー。それよりいいの? オレの指が入るけど」
 途端に眉が八の字に歪む。
「お前の兄の指が、ケツに入っちゃうけど?」
 敢えて言葉に出して挑発する。
「さいっ、てい」
「最高にしてやるよ」
 鈍い水音をたてながら埋めていく。
 捻りながら、奥に奥に、指の根元まで。
 深く深く息を吐いて耐えているのが可愛くて、陰茎も素手で掴んでやる。
「ぅわっ」
 はは、血管どくどくじゃん。
 前かがみになって、耳元に口を近づける。
「いいか、しっかり想像しろよ。この後、兄にめちゃくちゃに犯されるって」
 じっと見つめれば紅潮していく頬に口付ける。
 中が喜ぶように締め付けてきて、応えるように指を動かす。
 中指を曲げて押しながら、薬指で壁を引っ掻くように。
 人差し指はさらに奥に刺していく。
「いっ……うあ、あ」
 余程ゾクゾクが止まらないのか、目を閉じて全身をくねらせている。
 可愛いな、本当素直で。
 そろそろ熱くなってくるだろ。
 冷たかったジェルがどんどん染みてくるはず。
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