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kiss
第12章 eye
奥に奥にとすがるように伸ばした舌先からすっと離れるように、身を起こす。
「がっつきすぎ」
「も、いいだろっ」
「何が」
「早く、指、出して」
止まっていた指がずず、と中を撫でる。
「ぅあっ、だからあ!」
「両膝を曲げる」
「え」
急に冷たい声で刺された脳に言葉が染みるまで時間がかかる。
ああ、命令されたのかと気づいてから膨らむ期待とともに、痛む足をなんとか曲げた。シーツは汗で濡れていて、かかとまで湿ってくる。
「男同士でやるときはさ、ゴムつけないとってのが面倒だよな」
明日テストだるいよな、くらいのテンションで言われて、流れで頷きそうになった。
知らないって。
「女もだろ……」
「確かに」
気怠く手を伸ばして、小さな紙箱から包みを一枚取り出すと、予告なく指をずるりと抜かれた。ガクガクッと跳ねた腰に笑い声が降る。
「あんま動くと明日死ぬぞ」
「……誰のせいだよ」
「オレかなあ」
そんな愉しそうに。
歯で小さく噛み切ってから、長い指が包みを開くと、中の丸まったゴムを唇で食みながらパンツをずらしていく。互いに下半身が裸になって、いよいよかと胸が高鳴ってくる。
ゴムをコロコロと指で撫で下してつけながら、足をぐいっと開かされた。
「お前さあ、よく女と付き合ったよな」
「い、いま女の話するなよ」
「いやだって、本当、抱かれる方が似合ってんのに」
言い返そうと息を吸った瞬間、感じたことのない質量に突き上げられた。
「はは、中熱すぎ」
入ってる。
尻の穴に入ってる。
はっは、と息だけに集中して力を抜こうとする。
「わかる?」
わかる。
すごい、形まで感じる。
このまま身を委ねて溶けてしまいたい。
でも、見たい。
どう繋がっているのか見たい。
グッと顎を引いて、そこを見ようとすると、額に手を押し当てられてベッドに後頭部を戻された。
「なっ、んで」
心底楽しそうな両目がさらに歪む。
「そんな余裕なくしてやるって」
宣言通りに力強く腰を打ち付けられた。
「あああっ」
肩に顔を埋めると、優しく頭を抱きしめられた。
俺も抱きつきたいのに、手錠を揺らすだけ。
「っあ、うあっ、んん」
衝撃と快感に声が抑えられない。
耳元に当たる吐息に首筋に悪寒が駆ける。
気持ちいい。
気持ちいいしか考えられない。
「好き?」
「すっ、き……っあ」