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kiss
第12章 eye
大好き。
すげえ好き。
こんなのたまんない。
「これ、っあ、外しって」
腕が限界と悲鳴を上げている。
ずれた眼鏡を外して、枕脇に置いた兄ちゃんが、鍵を手にした。
「いいけど、外したらうつ伏せになれよ」
名残惜しそうに一呼吸置いてからズプン、と抜くと、俺の頭の傍に膝立ちになって手首を解放した。かちゃん、と手錠が床に落とされる。
痛む手首をぎゅうっと胸の前で握って、急いでさすった。
「こんなん、彼女にも使ってたわけ……?」
「ばあか。お前用だよ」
「は?」
「早くうつ伏せなれよ」
従順に半転した細い背中を眺めて、自嘲する。
こんなんを大事に準備してたんだよ。
いつも同じ屋根の下で眠るお前のために。
すす、と尻を撫でると、面白いくらい身じろぎする。
「やめろって」
「本当、いいケツ。そりゃ先輩にもモテるよな」
「それ今言うか」
「オレもずっと触りたかったし、ブチ込みたかった」
両手を組んで頭を乗せていたのに、戸惑うように振り向いた顔に笑いかける。
「誰かのものになる前にって、普通思うだろ」
「弟には思わねえだろ」
「思ったんだよ。最初は二年前か」
「は?」
「お前が風呂上がりに着替えがねえってオレを呼んだ時あったろ。そん時、久々に全裸見て、うわあって」
ギシリ、と音を立てて腰を跨ぐと、ピタリと体をくっつけるように覆いかぶさった。
わかりやすく固まった肩に手を当てて、手首まですうっと撫で下ろす。
ぎゅっと手錠の痕を握ってから、耳元に口を近づけた。
「お前はいつから?」
どっどっ、と心臓がやかましい。
「いつ、から……って。わかんないよ。前から格好いいと思ってたけど、けど、二年前? そんな前から性的に見てたってこと?」
「そうだよ」
割れ目に熱い塊が押し当てられている。
冷静になんてなれるわけがない。
「意識、したのは、二人でオナってんじゃねえの言われた時から」
ぶっと吹き出す息がくすぐったくて、睨みつけた。
「すっげ最近じゃん」
「でも、そんなのおかしいって、女と付き合って」
「オレよりブスと付き合ってたな」
「サイッテー」
「どうせセックスも気持ちよくなかったろ」
ぐぐ、と押し進められた先端が中にめり込んでくる。
ああ、もう口答えなんてできない。
早く、早くと昂ぶってくる。
「オレが気持ちよくさせてやるよ」
入ってきた。