この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater38.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
kiss
第4章 ★rouge
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「あたしは、東京行こうと思うの」
舞の言葉に目を見開く。
一瞬にして温かいお湯が冷水になって突き刺さってくる。
「え……」
「友美に言うの遅くなっちゃったけどさ、前に話したでしょ? 教わりたい絵の先生が東京の大学にいるの」
白い煙の中で妖精みたいに微笑みながら、悪魔みたいなことを告げる。
湯船にしがみつくように、私は爪を立てた。
「友美は?」
舞がすり寄る。
柔らかい肌。
無防備な肌。
「わ……私は」
バシャッと湯から出る。
重力に従って、水が滝のように落ちる。
キョトンとした顔がこちらを見上げている。
「舞はさ、私の知らない世界に行っちゃいそうだね」
声が震えている。
「なに言ってるの……」
舞の言葉を消すように浴室から飛び出した。
「風邪引いちゃうよ」
舞がパジャマを掛ける。
バスタオル一枚にくるまってソファにうずくまる私に。
気づかなかった。
寒さに背中がカタカタ痙攣してる。
「怒ってるの?」
そっと顔を上げる。
目を疑った。
キャミソールに下着だけ。
舞こそ風邪を引きそうだ。
細い腿から目を逸らす。
「別に怒ってるわけじゃなくて」
「本当?」
ギシ。
ソファに舞が膝をかける。
四つん這いに近い態勢で近付いてきて、理性を失いそうになる。
なんでそう無防備になるのかな。
こっちは必死で堪えてるのに。
「怒ってるんじゃなくて、寂しいだけ。舞、一緒に神奈川行くって約束してたのに忘れちゃったのかなって」
「忘れてないよ。まだ中学なのにアパート探しって二人で神奈川まで見に行ったよねー」
思い出し笑いをしながらクッションを抱く。
「ずーっと一緒にいると思ってた」
「そうだね」
シャンプーの香りが漂ってくる。
同じものを使っているのに、甘い。
「友美」
「ん?」
「服着たら?」
「ん」
「聞いてる?」
「舞」
「なぁに」
「好き」
「え?」
「大好き」
「なんで、いきなり」
「私は舞が好き」
腕を掴む。
そのまま部屋に強引にひっぱる。
ベッドに押し倒してから、舞の上に乗る。
「な……友美」
裸体を晒して、覆い被さる私に動揺する舞。
お風呂とは違う。
服を纏っていない違和感。
キャミから覗く鎖骨。
細い二の腕。
下着に密着した股が濡れている。
![](/image/skin/separater38.gif)
![](/image/skin/separater38.gif)