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私を見て
第3章 宮殿
どのくらい記憶に潜ってたんだろうか。
目の前に加藤さんは居なかった。
それでも私は腕の中。
固まったまま動けない私。
それでも離れない腕。
私も彼も、お互い相手の反応を待っているんだ。
だから、動けないんだ。
「ごめん」
腕が離れて、背中から消えてく体温に。
私は追いすがろうと振り返って手を伸ばした。
いや、伸ばしかけた。
でも‥出来ない。
だってこれは罰だから。
あの人が待ち合わせに来なかったのは、私への罰なんだから。
私の気持ちが迷ったから。
気付いちゃったから。
だから私は彼を求めてはいけない。
忘れなきゃいけない。
だから。私を見ないで。
目の前に加藤さんは居なかった。
それでも私は腕の中。
固まったまま動けない私。
それでも離れない腕。
私も彼も、お互い相手の反応を待っているんだ。
だから、動けないんだ。
「ごめん」
腕が離れて、背中から消えてく体温に。
私は追いすがろうと振り返って手を伸ばした。
いや、伸ばしかけた。
でも‥出来ない。
だってこれは罰だから。
あの人が待ち合わせに来なかったのは、私への罰なんだから。
私の気持ちが迷ったから。
気付いちゃったから。
だから私は彼を求めてはいけない。
忘れなきゃいけない。
だから。私を見ないで。