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私を見て
第4章 甘い時間と罪の味
まだ眠い目を開けると、天井に布が見えた。
薄明かるい感じから明け方だろうか。
まだもう少し寝たい。
でも、なんかスースーする。
起き上がって、その辺の布を手繰り寄せた。
下から何かが垂れる感覚とヒヤリとした冷たさに触れてみるとそれはドロッとしていた。
下を向くと胸の辺りは赤い跡がたくさん散らばっていて。
それが何を意味するのか。
近くに人は居ない。
脱いだであろう服も無い。
気持ちどころか、身体まで裏切ってしまった。
もう、あの人の所には帰れない。
「帰らなければ良いだろう」
開かれた布からエストが顔を出した。
「気持ちは解放してやれと言ったはずだぞ」
そのエストに続いて侍女が入ってくる。
「何故その気持ちに蓋をする。何故彼に遠慮をする。
死にかけてまで」
だって私まで他の人を選んだら。
彼は今度こそ誰も信じなくなる。
そんなことはダメだから。
「言ったんだ。茉莉は記憶に閉じ込められている。
救う方法は1つ。
縛られる記憶より、より強い身体への刺激だ。と」
「聞きたくない」
「何故だ」
「聞いても意味が無い。彼を裏切る位なら死んだ方がマシよ」
「…くだらない。その死んだ方がマシって思う茉莉を死なせたくないって思った男の気持ちは考えないの」
薄明かるい感じから明け方だろうか。
まだもう少し寝たい。
でも、なんかスースーする。
起き上がって、その辺の布を手繰り寄せた。
下から何かが垂れる感覚とヒヤリとした冷たさに触れてみるとそれはドロッとしていた。
下を向くと胸の辺りは赤い跡がたくさん散らばっていて。
それが何を意味するのか。
近くに人は居ない。
脱いだであろう服も無い。
気持ちどころか、身体まで裏切ってしまった。
もう、あの人の所には帰れない。
「帰らなければ良いだろう」
開かれた布からエストが顔を出した。
「気持ちは解放してやれと言ったはずだぞ」
そのエストに続いて侍女が入ってくる。
「何故その気持ちに蓋をする。何故彼に遠慮をする。
死にかけてまで」
だって私まで他の人を選んだら。
彼は今度こそ誰も信じなくなる。
そんなことはダメだから。
「言ったんだ。茉莉は記憶に閉じ込められている。
救う方法は1つ。
縛られる記憶より、より強い身体への刺激だ。と」
「聞きたくない」
「何故だ」
「聞いても意味が無い。彼を裏切る位なら死んだ方がマシよ」
「…くだらない。その死んだ方がマシって思う茉莉を死なせたくないって思った男の気持ちは考えないの」