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真珠浪漫物語
第13章 茶碗の中の嵐
お茶会も無事に終わり、綾香と梨央は叶夫人に挨拶をし、叶邸を後にした。
叶夫人は別れ際に
「こんなに盛り上がったお茶会は初めてよ。竹子様にも褒めていただけたし…綾香様、梨央様、またぜひいらしてね」
と熱意の篭った礼を言った。

…そして夕刻、車は麻布の北白川家に着いた。
メルセデスを降りる時、綾香は月城に
「…ごめんね。月城。あれ程言葉遣いに気をつけろと言われたのに…せっかく月城が色々頑張って準備してくれたのに…台無しにしちゃったね」
と詫びる。
月城ははっとしたように目を見開き、
「…とんでもございません。綾香様は実にご立派でいらっしゃいました」
「…え?」
月城の端正な眼鏡の奥が笑っていた。
「ご自分の誇りを傷つけられた時には勇敢に闘う。…それが真の貴族のお姿です」
そして、隣の梨央に目を移し、
「…梨央様も、勇敢でいらっしゃいました。そしてあんなに堂々と大勢の前でご立派にピアノをお弾きになり…旦那様にお見せしたかったです」
月城の褒め言葉を聞き、梨央はほっと安堵の笑みを浮かべた。
…かと思うと突然崩れ落ちるように倒れこんでしまった。
間一髪のところで、月城が梨央を抱き留める。
「梨央様!梨央様!」
意識を失った梨央を必死で揺さぶる。
綾香が梨央の額に手を当てる。
「…酷い熱だわ。すぐにお医者様を!」
月城が梨央を抱き上げ、声を張り上げる。
「誰か!丹羽先生をお呼びしてくれ。急いで!」

出迎えていた下僕が慌てて丹羽医師を呼びに走る。
乳母のますみがテキパキとメイドに指示を出す。
「急いで梨央様のベッドの準備を!厨房に行って、氷をたくさんもらってきて!」
月城は大階段を慎重に登りながら、梨央を寝室へと運んだ。
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