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真珠浪漫物語
第15章 Under The Rose
梨央は、東屋の陰から千を見送る綾香をそっと見つめる。
その美しい横顔は、寂しいような切ないような…なんとも言えない、複雑な表情であった。
その表情を見て、梨央は不安が募ってくる。
…お姉様…もしかして、浅草に帰りたいのかしら…。
…もしそうだったら…どうしよう…。
と、その時。振り返った綾香と目が合ってしまった。
慌てる梨央に対して、綾香は明るく笑い、
「なあんだ。梨央、いたの?」
「は、はい…。すみません…お姉様がどなたかとお話しされているのが見えたので…」
「千だよ。…覚えているよね?バーテンダーの。たまにこっそり喋りに来るのよ。…私の弟分だからさ」
綾香はおどけてウィンクする。
「…そうなんですか…」
「あ、そうだ。これ、おでん!」
綾香が風呂敷包みを梨央に見せる。
「千のお母さんが、梨央が喜んでくれたから…てわざわざ作ってくれたんだって」
梨央は驚く。
「あの時の?…まあ…!覚えていて下さったんですね。嬉しい…」
梨央の笑顔を見て、綾香も嬉しそうに笑う。
「早速、晩御飯に食べようね。…いきなりおでんを出したら月城がびっくりするかな」
「…ええ…そうかも知れません」
梨央は小さく笑う。
屋敷に戻る綾香に付いていきながら、梨央は
…お姉様は、私を置いてこの家を出て行ったりなさらないわ。
と、自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
そして目の前の綾香を見つめる。
すらりとした美しい後ろ姿…。
均整のとれたプロポーション、特に綾香は引き締まったウエストからヒップのラインの豊かな曲線が神々しいまでに美しい…。
官能的で、それでいて慈愛に満ちた綾香の後ろ姿である。
気がつくと、梨央は綾香の背中に抱きついていた。
「梨央?」
「お姉様…!好き…!大好き…!梨央は…梨央は本当に…お姉様が…大好きなの…」
子供のように必死にしがみつく梨央の手を、綾香は優しく握りしめた。
「…私もよ、梨央…」
「…お姉様…大好き…!」
梨央は綾香の白い手を握り返す。
そうでもしないと今にも綾香がどこかに行ってしまいそうで、不安に押し潰されそうな梨央であった。
その美しい横顔は、寂しいような切ないような…なんとも言えない、複雑な表情であった。
その表情を見て、梨央は不安が募ってくる。
…お姉様…もしかして、浅草に帰りたいのかしら…。
…もしそうだったら…どうしよう…。
と、その時。振り返った綾香と目が合ってしまった。
慌てる梨央に対して、綾香は明るく笑い、
「なあんだ。梨央、いたの?」
「は、はい…。すみません…お姉様がどなたかとお話しされているのが見えたので…」
「千だよ。…覚えているよね?バーテンダーの。たまにこっそり喋りに来るのよ。…私の弟分だからさ」
綾香はおどけてウィンクする。
「…そうなんですか…」
「あ、そうだ。これ、おでん!」
綾香が風呂敷包みを梨央に見せる。
「千のお母さんが、梨央が喜んでくれたから…てわざわざ作ってくれたんだって」
梨央は驚く。
「あの時の?…まあ…!覚えていて下さったんですね。嬉しい…」
梨央の笑顔を見て、綾香も嬉しそうに笑う。
「早速、晩御飯に食べようね。…いきなりおでんを出したら月城がびっくりするかな」
「…ええ…そうかも知れません」
梨央は小さく笑う。
屋敷に戻る綾香に付いていきながら、梨央は
…お姉様は、私を置いてこの家を出て行ったりなさらないわ。
と、自分に言い聞かせるように心の中で呟いた。
そして目の前の綾香を見つめる。
すらりとした美しい後ろ姿…。
均整のとれたプロポーション、特に綾香は引き締まったウエストからヒップのラインの豊かな曲線が神々しいまでに美しい…。
官能的で、それでいて慈愛に満ちた綾香の後ろ姿である。
気がつくと、梨央は綾香の背中に抱きついていた。
「梨央?」
「お姉様…!好き…!大好き…!梨央は…梨央は本当に…お姉様が…大好きなの…」
子供のように必死にしがみつく梨央の手を、綾香は優しく握りしめた。
「…私もよ、梨央…」
「…お姉様…大好き…!」
梨央は綾香の白い手を握り返す。
そうでもしないと今にも綾香がどこかに行ってしまいそうで、不安に押し潰されそうな梨央であった。