この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
真珠浪漫物語
第4章 秘密
月城とすみれが部屋の中に入ると、梨央が意外なほど晴れやかな顔で口を開いた。
「月城、私、今日の叶男爵夫人のお茶会に伺うことにいたしました。車の用意をお願い。すみれは着替えを手伝って。…それから庭師の大野に庭の薔薇でブーケを作るよう伝えて。叶夫人へお渡ししたいから」
月城は驚いたように眼を見張る。
「…お嬢様、どうされたのですか?今までお茶会は知らない方がたくさんいらっしゃるから行きたくないの一点張りだったではありませんか」
梨央はにこにこ笑う。
「…私ももう18歳でしょう?引っ込み思案なままではダメだと思ったの。…お父様にもそう諭されたし…叶夫人はいつもお誘いくださるのにまだ一度もお受けしていないから…今日、思い切って伺ってみるわ」
「…それは…喜ばしいことですが…」
半信半疑の月城。
なにしろ、梨央は大変な人見知りでデビュッタントもまだな上に、親しい夫人の招きのお茶会や夜会もめったなことでは参加しなかったからだ。

ぎこちないこの場の雰囲気を変えるようにすみれが明るく話しかける。
「それは素晴らしいことですわ!お嬢様!よくご決心なさいました。さあ、私がお手伝いいたします。どのアフタヌーンドレスがよろしいでしょうか?御髪も結い上げなくては…忙しくなりますね。さあさあ、お嬢様、ドレスルームでお待ちくださいな」

すみれは小声で月城に囁く。
「…お嬢様の引っ込み思案が直るかもしれませんよ。お気が変わらない内にご準備してしまいましょう。…月城さん、お車のご準備をお願いします」
「…わかった。ではお嬢様を頼む」
月城はやや不思議そうな顔をしながらも、梨央がこのまま社交界デビューに前向きになってくれたら…と思い、素早い動きでは階下に降り、運転手を呼びに行くのだった。
/226ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ