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真珠浪漫物語
第4章 秘密
綾香が楽屋で最後の化粧の仕上げをしていると、なにやら袖の方が騒がしい。
口紅を塗り終わり
「なに騒いでんのさ、ケン坊」
ケン坊はウキウキしたように答える。
「だって、綾香さん!またあの綺麗なお姫様が来ているんですよ!」
「え⁈」
綾香が袖からそっと覗くと…
いた…。確かにあの子だわ。
西洋のお姫様のようなドレスや帽子、髪型、全てがこの場末のカフェの中で浮いている。
中でも浮いているのはその侵し難い可憐な花のような美貌だ。
今もにこにことボーイと話しているが、彼女の周りだけひどく場違いな聖なる空気が流れている…。
…本当になんなのよ…全く!
綾香は眉を顰める。

「綾香、そろそろいいか?」
バンマスに声をかけられる。
「あ、うん…いいよ」
綾香は深呼吸してから、優雅な猫のようにしなやかな足取りで舞台に登場する。


舞台にライトが当たり、綾香が登場した。
梨央はその瞬間、胸がきゅっと締め付けられ、同時に高揚も抑えきれなくなる。
「…お姉様…!」

今日の綾香はセクシーな黒いロングスリップドレス姿だ。
胸元が大きく開き、真っ白で豊かなバストが強調されている。
豊かな胸から、引き締まったウエストのライン、そして女性らしく肉惑的なヒップライン。
スリットが入ったドレスの裾からは黒の網タイツに包まれた美しく形の良い脚がセクシーに見えている。

「お姉様…お綺麗だわ…お綺麗なだけでなくすごく妖艶で…触ってみたいな…あの綺麗な胸元や…おみ足や…
やだ…どうしたのかしら、私ったら…お姉様をそんな風にみるなんて!はしたないわ!」
慌てて首を振る梨央。
そしてそっと舞台の綾香を見つめる。

綾香は華やかな、しかしどこか陰のある美貌に笑みを浮かべ、歌い始める。
曲は梨央が聞いたことのない浅草オペラや歌謡曲、ジャズなどだ。
綾香の声はハスキーだがどこまでも伸びやかに、自由な鳥のように客席を舞い続ける。
片時も綾香から目を離さない梨央の目から涙が流れ落ちる。
…お姉様…
私のお姉様…
こんな気持ち初めて…
お姉様を見るだけで…お姉様の声を聞くだけで、こんなに胸が苦しい…。
ううん、苦しいだけじゃないわ。甘くて切ない気持ちになるの…。
梨央は瞬きするのも忘れ、綾香を見つめ続けるのだった。

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