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真珠浪漫物語
第19章 Shall we dance ?
綾香は梨央の手を取り、温室に誘った。
「今日は寒いから、梨央が風邪を引くといけないわ」
ついつい過保護にしてしまう綾香である。
梨央はそんな綾香の優しさが嬉しくて、綾香の美しい手をぎゅっと握りしめる。

温室の中は、さながら春のような暖かさと華やかさに満ちている。
腕利きの庭師が晩秋でも色とりどりの薔薇を咲き誇らせることに余念がないからだ。
天然の薔薇の香気の中、綾香と梨央はベンチに座る。
「最近、忙しくてゆっくりお姉様とお話できないのが寂しいです…」
梨央は美しい綾香の顔を瞬きするのも惜しいかのように見つめる。
「本当ね。…月城の奴、レッスン詰め込み過ぎなのよ!」
綾香は腹立たしげに呟く。
だがすぐに優しい笑顔を梨央に向ける。
「梨央はどう?ダンスのレッスンは。…あのイケメンフランス人教師、どう?…ちょっと手が早そうで心配なんだけど…」
梨央はぎくりとしながらも、綾香を安心させるように微笑む。
「大丈夫ですわ。…フランス人のハーフの先生なので、言動が少し派手ですけれど…明るくて良い方です」
…お姉様にご心配をかけてはいけないわ。私が世間知らずだから先生のお言葉にたじろぐだけで、もしかしたらただの社交辞令なのかも知れないし…。なにしろ、先生はフランス人とのハーフだから…。
「…そう?それならいいけど…。でも、何かあったらすぐに言うのよ。梨央に不埒な事をしたら、簀巻きにして大川に沈めてやるんだから!」
綾香がボキボキ指を鳴らす。

…絶対に言えない…。
梨央はそう思いながら、綾香に精一杯の笑顔を見せた。
梨央が笑うと白い花が一斉に咲いたように麗しく、華やかになる。
綾香はその花に引き寄せられるかのように、梨央の顎を捉え、顔を近づける。
「…梨央…愛しているわ…」
「…お姉様…私も…」

唇がまさに触れ合わんとした時…
温室の入り口で、聞き覚えのある明るく屈託のない声が響いた。
「…やあ、外は寒々しいのにここは楽園のような暖かさだ。…麗しき愛の女神が二人寄り添っているせいかな?」
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