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真珠浪漫物語
第19章 Shall we dance ?
…あの日から私は梨央さんの恋の虜となってしまったのだ…。
ジュリアンは回想から覚め、ふっと自嘲し美しい巻き毛を掻き上げた。
…梨央さんは私の理想の大和撫子!だが、大和撫子すぎて未だに距離が縮まらないのがもどかしい!
今日こそは…私の熱い思いを伝えて、梨央さんの心の扉を開けなくては!
日仏世界を股にかける世紀の色男、ジュリアン・ド・ロッシュフォールの名が廃る‼︎
ジュリアンはその美しい眼に熱い決意の炎を滾らせ、梨央が待つ遊戯室の扉をノックし、開けた。

「梨央さん、ご機嫌いかがですか?貴方のジュリアン・ド・ロッシュフォールです。…おお…!今日の貴方はまた一段と美しい‼︎まさに東洋の真珠…!穢れなき海の女神、人魚姫!人類の神秘です!」
もはや興奮の余り、支離滅裂な口説き言葉になっているのだがジュリアンはお構いなしだ。
見かけは白鳥の湖のジークフリート王子のように美しいが、訳の分からない挨拶をしながら近づいて来るジュリアンに、梨央はぎょっとしながらも失礼がないように、微笑みを浮かべ挨拶を返す。
「…ロッシュフォール先生、ご機嫌よう…」
ジュリアンはこめかみに指を当て、切なく溜息を吐く。
「…まだジュリアンとは呼んでいただけないのですね。…つれない方だ…貴方は…」
「…は、はあ…」
「…これも神が与えたもうた恋の試練なのですね…。分かりました。受けて立ちましょう」
ジュリアンはいきなり、梨央の前に片膝をつき跪き、薔薇の花束を大袈裟な身振りで差し出した。
「…梨央さん。…私はあの夜会で月の妖精のような美しく儚げな気な貴方を見て以来、すっかり貴方の恋の奴隷と化してしまったのです!」
「…ロ、ロッシュフォール先生…?」
じりじりと膝で距離を詰めるジュリアンに怯え、梨央は後退りを始める。
ジュリアンは更に距離を詰める。
「この白薔薇を貴方に!…日比谷花壇で店中の白薔薇を買い占めました!しかし貴方は薔薇より美しい!」
「せ、先生…」
遂に無意識に壁際にまで梨央を追い詰めたジュリアンは、唄うように思いの丈を叫び出す。
「梨央さん!どうか、私と結婚して下さい!私の運命の半身、お神酒徳利となって下さい!」
「お、お神酒徳利?」
「さあ、梨央さん!私の愛を受け止めて…!」
ジュリアンが立ち上がり壁に手をつき、梨央にかき口説いた瞬間…。

「ちょっと待った‼︎」
扉が荒々しく開いた。


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