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真珠浪漫物語
第19章 Shall we dance ?
ジュリアンははっと入り口を振り返った。
…そこには梨央の姉、綾香が恐ろしい形相をして仁王立ちしていた。
そして、美しいワインレッドのドレスがおよそ似つかわしくない大股歩きでドスドスとジュリアンに近づいて来たかと思うと…
ジュリアンから梨央を引き離し、自分の胸に抱きしめた。
「何勝手に私の妹に告ってんのよ‼︎」
…梨央さんのお姉様だ…。だが、今まで聞いたことがない乱暴な言葉遣いだ。
ジュリアンは一瞬、ポカンとしたがすぐに気を取り直し立ち上がり、誰もがよろめくであろう美しい笑顔を浮かべ、綾香に挨拶した。
「これはお姉様…。失礼いたしました。…実は私は梨央さんにプロポーズさせていただいているのです。丁度良かった。お姉様にも是非、私の恋を祝福していただきたい!」
「お断り!」
「へ?」
「お断りだっつ〜の!梨央は誰の嫁にもやらないよ」
綾香の腕の中にしがみついていた梨央が嬉し気に綾香を見上げる。
「…お姉様!」
ジュリアンは負けじと食い下がる。
「なぜそのようなことを?いくらお姉様でも横暴すぎます!人の恋路を邪魔しないで下さいッ!」
「ああもう!このおたんこなすのすっとこどっこいめ!…こうでもしなきゃわかんないの⁈」
美しい眉を逆立て、綾香はジュリアンを睨みつけ、その後に別人のように優しく穏やかな笑みを浮かべ、梨央に囁いた。
「…梨央…このフランス人にわからせてやらなきゃ…ね…」
「…え?…あ、あの…お姉様…?あ…んんっ…は…あ…ん…っ」
…ジュリアンは巨大な花束を取り落とす。
綾香が梨央を抱きすくめたかと思うと、その可憐な桜桃のような唇を奪い、情熱的なキスを繰り返したのだ。
…しかもジュリアンが目を疑ったのは、そのキスに対して、あの大和撫子の鑑のような、楚々として儚げな梨央が次第に積極的に応え始め、自ら進んで綾香の唇を奪い、濃厚なキスをし始めたことであった。
「…ああ…んっ…おねえ…さま…すき…!」
「…梨央…愛しているわ…」
「…私も…愛していますわ…」
熱く見つめ合う二人…。
ジュリアンは膝から床に崩れ落ちた。
綾香は梨央を抱きしめたまま、婉然と微笑む。
「…という訳で梨央は私のものなの。色男の先生。ごめんあそばせ…おほほほほ」
綾香の高笑いが部屋に響き渡る。
…そしてジュリアンは、王子然とした美貌に相応しくない間抜けな表情で暫し呆然とするのだった。
…そこには梨央の姉、綾香が恐ろしい形相をして仁王立ちしていた。
そして、美しいワインレッドのドレスがおよそ似つかわしくない大股歩きでドスドスとジュリアンに近づいて来たかと思うと…
ジュリアンから梨央を引き離し、自分の胸に抱きしめた。
「何勝手に私の妹に告ってんのよ‼︎」
…梨央さんのお姉様だ…。だが、今まで聞いたことがない乱暴な言葉遣いだ。
ジュリアンは一瞬、ポカンとしたがすぐに気を取り直し立ち上がり、誰もがよろめくであろう美しい笑顔を浮かべ、綾香に挨拶した。
「これはお姉様…。失礼いたしました。…実は私は梨央さんにプロポーズさせていただいているのです。丁度良かった。お姉様にも是非、私の恋を祝福していただきたい!」
「お断り!」
「へ?」
「お断りだっつ〜の!梨央は誰の嫁にもやらないよ」
綾香の腕の中にしがみついていた梨央が嬉し気に綾香を見上げる。
「…お姉様!」
ジュリアンは負けじと食い下がる。
「なぜそのようなことを?いくらお姉様でも横暴すぎます!人の恋路を邪魔しないで下さいッ!」
「ああもう!このおたんこなすのすっとこどっこいめ!…こうでもしなきゃわかんないの⁈」
美しい眉を逆立て、綾香はジュリアンを睨みつけ、その後に別人のように優しく穏やかな笑みを浮かべ、梨央に囁いた。
「…梨央…このフランス人にわからせてやらなきゃ…ね…」
「…え?…あ、あの…お姉様…?あ…んんっ…は…あ…ん…っ」
…ジュリアンは巨大な花束を取り落とす。
綾香が梨央を抱きすくめたかと思うと、その可憐な桜桃のような唇を奪い、情熱的なキスを繰り返したのだ。
…しかもジュリアンが目を疑ったのは、そのキスに対して、あの大和撫子の鑑のような、楚々として儚げな梨央が次第に積極的に応え始め、自ら進んで綾香の唇を奪い、濃厚なキスをし始めたことであった。
「…ああ…んっ…おねえ…さま…すき…!」
「…梨央…愛しているわ…」
「…私も…愛していますわ…」
熱く見つめ合う二人…。
ジュリアンは膝から床に崩れ落ちた。
綾香は梨央を抱きしめたまま、婉然と微笑む。
「…という訳で梨央は私のものなの。色男の先生。ごめんあそばせ…おほほほほ」
綾香の高笑いが部屋に響き渡る。
…そしてジュリアンは、王子然とした美貌に相応しくない間抜けな表情で暫し呆然とするのだった。