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真珠浪漫物語
第20章 運命の選択
綾香は細くて華奢な梨央の手首を握りしめながら、足早に大階段を上ってゆく。
「…お姉様…?どうなさったの…?」
いつもと違う綾香の様子に梨央はやや怯える。
綾香は答えない。
ぞっとするほど美しい横顔は彫刻のように硬質で表情が伺えない。
「…お姉様…痛い…」
梨央が小さな声で訴えると一瞬振り返り、またそのまま強さも緩めずに、手首を握りしめたまま大階段を登り切り、綾香の部屋まで来ると無言で梨央を引き摺り込んだ。

部屋に入ると綾香はようやく梨央の手を離した。
…が、ほっとするのもつかの間、梨央はそのまま荒々しく、寝台に押し倒される。
「お、お姉様…⁈」
綾香にこのように乱暴に扱われたことのない梨央は驚愕し、綾香の顔を下から見つめる。
綾香の美しい顔には今まで見たこともない怒りの表情が浮かんでいた。
梨央は身を竦める。
「…私とは話もしたくないのに、月城には甘えて抱かれるの?」
綾香は梨央の両腕を上げさせ、押さえつける。
「お姉様…?」
「…梨央、本当は月城が好きなんじゃないの?」
綾香の美しい瞳の奥には明らかに嫉妬の色が浮かんでいた。
梨央はその瞳にぞくっと背筋を震わせる。
「違います!…私が好きなのはお姉様お一人です!」
綾香の梨央の両腕を押さえつける力が更に篭る。
「じゃあなぜ私を避けるの?仮病まで使って!」
「…それは…」
梨央は瞳を逸らし、目を伏せる。
すかさず綾香が梨央の顎を掴み、無理やり目を合わせる。
「…大事な話があるのよ、梨央。…聞いて…」
梨央がはっと目を挙げ、子供のようにいやいやをする。
「聞きたくありません!」
「なぜなの?梨央…」
「聞きたくないの!お姉様がイタリアに行かれる話なんか!聞きたくない!」
梨央は両腕を振り払い、自分の耳を塞いだ。
興奮して泣き叫ぶ梨央に、綾香は揺さぶって声をかける。
「…落ち着いて、梨央。話を聞いて…」
「嫌!お姉様なんか嫌い!きら…」
綾香の唇が梨央の唇を有無を言わず奪う。
「…んんっ…!ああ…んっ…」
「…梨央…落ち着いて…」
「…は…ああ…んっ…」
綾香の唇は外気に触れていたせいかひんやり冷たく、興奮して熱を持つ梨央の唇と口内を冷やしてゆく。
その心地よさと綾香の口付けの巧みさに梨央は次第に抵抗する力が抜けてゆき、甘い吐息を漏らす。
自ら綾香の滑らかな舌に舌を絡める。
甘やかな口付けの快美感が梨央を包み込む…。
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