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真珠浪漫物語
第21章 デビュッタント

広間の音楽がゆったりとした曲調のワルツに変わった。
綾香は梨央の手を引き、夜の庭園に降りる。
大きな樫の木の陰に梨央を誘い、優しく、しかし大胆に唇を奪う。
「…んっ…おねえさま…あ…んっ…」
「やっと二人きりになれた…梨央…」
綾香は愛おしくてならないように、梨央の顔を撫で回し、キスの雨を降らせる。
綾香のキスは梨央の思考能力の全てを奪う。
ひたすらその快楽の波に揺すぶられ、なされるがままに快感を享受するだけだ。
「…お姉様…すき…だいすき…!」
梨央ができることは、綾香にキスを返し、抱き締め、綾香に愛の言葉を囁くことだけだ。
そんな、一途な子供のような梨央が綾香は可愛くてならない。
「…梨央…大好きよ…」
綾香はその美しい瞳で、梨央を見つめ、微笑む。
梨央は未だに綾香のその瞳に自分が写し出されていることが信じられない。
…こんなに美しい人が、私を愛してくれるなんて…。
その事実に法外な幸せに、梨央は身体をきゅっと縮めてしまいそうになる。
「…お姉様…私、お姉様に巡り会えて…本当に幸せ…。例え姉妹でも、お姉様と愛し合えて…こんなに深く結ばれて…後悔していることは一つもありませんわ…今死んでも悔いはありません…」
綾香は全力で抱きついて来る梨央を優しく抱き締める。
「私もよ…。でも、どうしたの?急にそんなことを言いだして…」
愛しげに顔を覗き込む綾香の眼を梨央はじっと見つめた。
…大好きなお姉様…。
私の命よりも愛しているお姉様…。
私がどんなに貴方を愛しているか、言葉を尽くしても尽くしきれない…。
…だから…
「…お姉様…、イタリア行きのお話ですけれど…」
綾香は朗らかに笑った。
「ええ。…デビュッタントが済んだら、早々に竹子様にお返事するわ。…貴方も一緒に行くこともね」
梨央は唇をぎゅっと結ぶ。
そして深呼吸を一つして、綾香にゆっくりと語りかける。
「…お姉様。私は、イタリアには参りません」
綾香の大きな美しい瞳が更に大きく見開かれた。
…ざわざわと風が樫の木の葉を揺らした。
綾香は梨央の手を引き、夜の庭園に降りる。
大きな樫の木の陰に梨央を誘い、優しく、しかし大胆に唇を奪う。
「…んっ…おねえさま…あ…んっ…」
「やっと二人きりになれた…梨央…」
綾香は愛おしくてならないように、梨央の顔を撫で回し、キスの雨を降らせる。
綾香のキスは梨央の思考能力の全てを奪う。
ひたすらその快楽の波に揺すぶられ、なされるがままに快感を享受するだけだ。
「…お姉様…すき…だいすき…!」
梨央ができることは、綾香にキスを返し、抱き締め、綾香に愛の言葉を囁くことだけだ。
そんな、一途な子供のような梨央が綾香は可愛くてならない。
「…梨央…大好きよ…」
綾香はその美しい瞳で、梨央を見つめ、微笑む。
梨央は未だに綾香のその瞳に自分が写し出されていることが信じられない。
…こんなに美しい人が、私を愛してくれるなんて…。
その事実に法外な幸せに、梨央は身体をきゅっと縮めてしまいそうになる。
「…お姉様…私、お姉様に巡り会えて…本当に幸せ…。例え姉妹でも、お姉様と愛し合えて…こんなに深く結ばれて…後悔していることは一つもありませんわ…今死んでも悔いはありません…」
綾香は全力で抱きついて来る梨央を優しく抱き締める。
「私もよ…。でも、どうしたの?急にそんなことを言いだして…」
愛しげに顔を覗き込む綾香の眼を梨央はじっと見つめた。
…大好きなお姉様…。
私の命よりも愛しているお姉様…。
私がどんなに貴方を愛しているか、言葉を尽くしても尽くしきれない…。
…だから…
「…お姉様…、イタリア行きのお話ですけれど…」
綾香は朗らかに笑った。
「ええ。…デビュッタントが済んだら、早々に竹子様にお返事するわ。…貴方も一緒に行くこともね」
梨央は唇をぎゅっと結ぶ。
そして深呼吸を一つして、綾香にゆっくりと語りかける。
「…お姉様。私は、イタリアには参りません」
綾香の大きな美しい瞳が更に大きく見開かれた。
…ざわざわと風が樫の木の葉を揺らした。

