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真珠浪漫物語
第5章 秘密と嘘
「お姉様のお家に行ってみたいです!」
梨央に言われた綾香は、
「はあ?」
思わず聞き返した。
梨央はうっとりした眼差しで綾香を見つめる。
「お姉様がどのようなところにお住まいになっているか、知りたいのです」
綾香は一瞬、梨央に背を向けて頭を抱えた。
…私のあのあばら家に来てどうするっての?
このお姫様は…!
…でも…。
綾香は振り返って梨央を見る。

温室で誕生してからずっと丹精込めて育てられ、純粋培養で汚れを知らない高貴な白薔薇…。
世の中の恐ろしいことも、醜いことも、惨めなことも、邪悪なことも、何一つ知らない…。
…あの薔薇みたいだ…。
梨央が震えながら差し出したあの薫り高い白薔薇…。
あの白薔薇は、綾香が帰宅してから、ゴミ箱に放り込もうとして、なぜかどうしてもできなくて、仕方なく三ツ矢サイダーの空瓶に生けて、鏡台の前に飾られている。
…どうして捨てられなかったのかな…。
ま、いいや…。
どうせ私の気まぐれだもの。

綾香はふっと笑い、梨央に手を差し出した。
その手のひらにぽつんと雨粒が落ちる。
「…わかった。いいよ。…どうやら降り出したみたいだし…おいで、お姫様」
梨央の瞳が信じられないように見開かれる。
そしてその手を、大切そうにぎゅっと握りしめる梨央。
「はい!お姉様!」
そして蕩けるように笑ったのだ。

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