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真珠浪漫物語
第21章 デビュッタント
綾香は梨央の頬を優しく撫でる。
「…貴方はやはり貴族なのね…。ノーブレスオブリージュ…高貴なるものの義務…。かつて誰かに聞いたことがあるわ…。それを果たそうとするのね。
…梨央は立派な貴族で、伯爵令嬢だわ。
…貴方は私の誇りよ」
梨央の瞳に涙が溢れ出す。
堪えきれずに、綾香の胸に飛び込む。
「…でも本当は寂しい!お姉様と離れたくない!お姉様は私の全てだから…!」
涙を流す梨央の背中を優しく撫でる。
「…泣かないで、梨央。私達は運命で結ばれた姉妹なのよ。遠く離れていても、私と貴方の絆は途切れたりはしない。…例え、神様の怒りに触れて、私達が離れ離れになろうとも、どこにいても、私は貴方を探し当てるわ…必ず、貴方の元へ帰る…」
梨央の涙に滲んだ瞳の中に、綾香の神々しい姿が映る。
…お姉様…
私の美しいファムファタール…!

「…どこにいても、貴方を、貴方だけを愛し続けるわ…」
「私もよ…。ずっと、お姉様を思っている…この命が果てる瞬間まで…!」
二人はどちらからともなく、引き寄せられるように近づき、そっと口付けを交わす。

…広間から、美しき青きドナウが流れ始める。
梨央は涙を拭い、月夜に咲く蓮の花のように笑った。
そしてその、長く美しい腕を差し伸べる。
「ラストダンスだわ…。
…お姉様、Shall we dance?」
綾香はその華やかな美貌に静かな包み込むような慈愛の微笑みを浮かべる。
「ええ、私の愛する可愛い梨央…」
綾香は優雅に膝を折り、胸に手を当ててお辞儀をする。

…二人は手を取り合い、夢のように嫋やかで優美な姿のまま、バルコニーから広間へと入って行った。
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