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真珠浪漫物語
第8章 メタモルフォーゼ
その夜、綾香は豪奢な寝台に横たわり、1日の出来事を反芻した。
…朝は長屋の煎餅布団、夜はお城の天蓋付きベッドかあ…。
ライティングデスクの前に置いた母親の位牌を見る。
…母さん、私、随分すごいところに来ちゃったよ…。
でも、昔懇ろだった芸者の消息をずっと探してくれていたのだから、きっとここの伯爵様は良い方なんだろうね。
…父さんだなんて実感は全然ないけどさ。

と、その時密やかなノックの音が聞こえた。
綾香は上半身を起こす。
そっとドアを開けて顔を覗かせたのは、梨央だった。
梨央は、真っ白な裾の長いネグリジェを着て、髪を緩く一つの三つ編みに編み、肩に垂らしている。
儚げな壊れそうな美しさだ。
…ラプンツェルて、昔読んだ絵本に出てきたお姫様みたいだ。

「…お姉様…」
「どうしたの?梨央」
梨央は心もとない子供のような表情をしている。
「…ベッドに横になっていたら…本当にお姉様がここにいらっしゃるのか不安になってしまって…今日があまりに幸せな日だったから…全て夢だったのではないか…て…」
泣きそうな表情に胸を突かれる。
綾香は梨央を安心させるように笑い、手を差し伸べる。
「ここにおいで、梨央」
梨央はぱっと、母親を見つけた迷子の子供のような顔をして、綾香の寝台に駆け寄った。
「…お姉様!」
梨央は綾香に抱きつく。
この娘は生まれたての赤ん坊のような清らかな匂いがする…。
綾香は梨央を抱きしめながらそう思った。
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