この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真珠浪漫物語
第9章 赤薔薇の伯爵令嬢
梨央の奏でる皇帝円舞曲に合わせ、滑るように滑らかに、軽やかに踊る二人…。
月城は美しく妖艶な綾香から目が離せない。
…このお方は…こんなにもお美しく魅惑的な方だったのか…。
そんな自分にはっと気づき、表情を取り繕う。
「…お上手ですね。…このように軽やかに踊る方は初めてです…」
綾香はわざと顔を寄せ、微笑んでみせる。
「ありがとう、…色男の執事さんこそ、上手だよ。すごく踊りやすい…だけど…」
綾香は月城の腕をもっと自分に密着させるように引き寄せた。
「…あっ…綾香様…!」
綾香の身体が月城の腕の中にすっぽりと収まる。
綾香の豊かな張りのある胸と体温がブラウス越しに伝わり、月城は当惑する。
「だってあんた、硬いんだもん。…ダンスはもっと色っぽく踊らなきゃ…」
ウィンクしてみせる綾香。
月城は咳払いする。
「…お嬢様のワルツに色気は必要ございません」
「つまんない男だねえ〜」
綾香はため息を吐く。
月城はツンと澄まし、顎を上げる。
「ワルツは合格ですが、綾香様にはお言葉遣いをなんとかしていただかないと。…化けの皮がすぐに剥がれてしまいます」
綾香はむっとする。
「はあ〜?化けの皮?…あんた、やっぱり失礼な執事だよね!」
「私は事実を申し上げたまでです」
「…感じ悪っ!…そんなんじゃモテないよ」
「余計なお世話でございます」
憎まれ口を叩きながら優雅に踊る二人…。
梨央はピアノを弾きながらふとした不安に襲われた。
…月城のあんなに生き生きした表情は初めて見たわ…。
もしかして…
月城は…お姉様が好きなのかしら…?
…そんなはずはないわよね…。
梨央は首を振る。
月城は常に冷静沈着で完璧な執事ですもの…。
主人に恋愛感情を持つなんてあり得ないわ…。
梨央の思いをよそに、二人はワルツを踊り続ける。
月城の腕は無意識に綾香を強く抱きしめている。
綾香の美しい眼差しに魅入られたかのように…。
綾香の麝香の薫りに魅入られたかのように…。
月城は美しく妖艶な綾香から目が離せない。
…このお方は…こんなにもお美しく魅惑的な方だったのか…。
そんな自分にはっと気づき、表情を取り繕う。
「…お上手ですね。…このように軽やかに踊る方は初めてです…」
綾香はわざと顔を寄せ、微笑んでみせる。
「ありがとう、…色男の執事さんこそ、上手だよ。すごく踊りやすい…だけど…」
綾香は月城の腕をもっと自分に密着させるように引き寄せた。
「…あっ…綾香様…!」
綾香の身体が月城の腕の中にすっぽりと収まる。
綾香の豊かな張りのある胸と体温がブラウス越しに伝わり、月城は当惑する。
「だってあんた、硬いんだもん。…ダンスはもっと色っぽく踊らなきゃ…」
ウィンクしてみせる綾香。
月城は咳払いする。
「…お嬢様のワルツに色気は必要ございません」
「つまんない男だねえ〜」
綾香はため息を吐く。
月城はツンと澄まし、顎を上げる。
「ワルツは合格ですが、綾香様にはお言葉遣いをなんとかしていただかないと。…化けの皮がすぐに剥がれてしまいます」
綾香はむっとする。
「はあ〜?化けの皮?…あんた、やっぱり失礼な執事だよね!」
「私は事実を申し上げたまでです」
「…感じ悪っ!…そんなんじゃモテないよ」
「余計なお世話でございます」
憎まれ口を叩きながら優雅に踊る二人…。
梨央はピアノを弾きながらふとした不安に襲われた。
…月城のあんなに生き生きした表情は初めて見たわ…。
もしかして…
月城は…お姉様が好きなのかしら…?
…そんなはずはないわよね…。
梨央は首を振る。
月城は常に冷静沈着で完璧な執事ですもの…。
主人に恋愛感情を持つなんてあり得ないわ…。
梨央の思いをよそに、二人はワルツを踊り続ける。
月城の腕は無意識に綾香を強く抱きしめている。
綾香の美しい眼差しに魅入られたかのように…。
綾香の麝香の薫りに魅入られたかのように…。