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真珠浪漫物語
第11章 嵐の予感
月城は綾香に背を向け、東屋の柱に手を置いた。
「…私は執事です。…梨央様は伯爵令嬢…身分が違いすぎて、好きになるなどそのように恐れ多いことを考えるはずもありません」
「…嘘…あなたの目を見れば分かる。あなたは梨央を好き。一途に梨央を思っている。ずっとずっと…きっと…誰よりも深く…」
月城は綾香を振り返り、制するように言葉を遮る。
「…綾香様…」
きらりと光る目で綾香は月城を見る。
「…でも…あなたは、梨央を抱けないよ」
月城がはっとしたように目を見開き、思わず声を荒げる。
「綾香様!」
「執事だからじゃない。あなたは梨央を余りにも神格化しすぎているから抱けないの。あなたは梨央を1人の女としては見ていない。…ううん、見たくないんだよ」
「綾香様、おやめ下さい…そのような話はしたくありません…」
「…あなたは梨央を永遠に綺麗な温室の中に閉じ込めて眺めていたいのよ。…あの温室の薔薇のようにね…」
「綾香様…!」
綾香はふっと妖しく笑う。
「…私は違う。…綺麗な薔薇は自分の手で散らしてみたいの…綺麗であればあるほど…ね」
月城は息を飲む。
「…綾香様、貴女は…!」
「薔薇盗人に気をつけて…どうやら1人じゃないみたいだから」
綾香は思わず魅入られてしまいそうな妖艶な笑みを浮かべて踵を返し、屋敷へと戻っていった。

月城は綾香の衝撃的な言葉を反芻しながらその場に立ち尽くすのだった。
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