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真珠浪漫物語
第12章 美しき薔薇の番人
定刻になると縣男爵を出迎える為に、玄関の車寄せに並ぶ綾香と梨央、そして執事の月城の姿があった。
綾香は髪を美しく結い上げ、ガーネットの髪留めを飾っている。
ドレスも真紅の華やかなものにスワロフスキーの飾りが眩く光り、綾香の美貌を更に引き立たせている。
梨央はハーフアップの髪を綺麗にカールさせ、髪には白薔薇を飾っているのが可憐で、下僕達からため息が出るほどに似合っている。
縣に贈られた菫色のドレスに真珠の首飾り、イヤリングを合わせているのが、楚々とした清らかな雰囲気を醸し出している。
並んでいる綾香に月城がそっと後ろから声をかける。
「…綾香様、くれぐれもお言葉遣いにお気をつけていただきますように…」
「分かってるってば」
「…そういうお言葉遣いです!」
「…分かっておりましてよ、ハンサムな執事さん。おほほほほほ…」
「わざとらしいです」
むっとする綾香。
梨央はずっと緊張の面持ちで、不安そうに門扉の方を見つめている。
と、車のエンジン音が聞こえたかと思うと、ピカピカに磨き上げられたメルセデスがなめらかに車寄せに滑りこんできた。
月城が呟く。
「…いらっしゃいました。…縣男爵様です」
梨央はぎゅっとレースの手袋をした両手を握りしめた。
そんな梨央を綾香はそっと見つめ、再びメルセデスに眼をやった。
「…縣男爵…ね…」
綾香は髪を美しく結い上げ、ガーネットの髪留めを飾っている。
ドレスも真紅の華やかなものにスワロフスキーの飾りが眩く光り、綾香の美貌を更に引き立たせている。
梨央はハーフアップの髪を綺麗にカールさせ、髪には白薔薇を飾っているのが可憐で、下僕達からため息が出るほどに似合っている。
縣に贈られた菫色のドレスに真珠の首飾り、イヤリングを合わせているのが、楚々とした清らかな雰囲気を醸し出している。
並んでいる綾香に月城がそっと後ろから声をかける。
「…綾香様、くれぐれもお言葉遣いにお気をつけていただきますように…」
「分かってるってば」
「…そういうお言葉遣いです!」
「…分かっておりましてよ、ハンサムな執事さん。おほほほほほ…」
「わざとらしいです」
むっとする綾香。
梨央はずっと緊張の面持ちで、不安そうに門扉の方を見つめている。
と、車のエンジン音が聞こえたかと思うと、ピカピカに磨き上げられたメルセデスがなめらかに車寄せに滑りこんできた。
月城が呟く。
「…いらっしゃいました。…縣男爵様です」
梨央はぎゅっとレースの手袋をした両手を握りしめた。
そんな梨央を綾香はそっと見つめ、再びメルセデスに眼をやった。
「…縣男爵…ね…」