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真珠浪漫物語
第12章 美しき薔薇の番人
下僕が丁寧にサーブしたオマール海老のビスクスープを洗練された仕草で口に運びながら、縣は梨央に話しかける。
「ドレスもとてもよくお似合いですよ。無理やり押し付けたようで気が引けましたが…」
梨央ははっとした表情をしたがすぐに笑みを浮かべ、礼を述べる。
「…ありがとうございます。縣様にはいつも高価な贈り物ばかりいただいて…恐縮してしまいます…」
スプーンを静かに置き、縣は梨央を見つめる。
「…梨央さんは私の未来の花嫁なのですよ。…本当はもっともっと様々な贈り物をしたいくらいです」
梨央はスプーンを取り落とし、それはかちゃりと音を立てた。
「…し、失礼いたしました…」
詫びてナプキンを握りしめる梨央の白い手が震えている。
綾香はそっと梨央に目をやり、縣ににこやかに笑いかける。
「縣様は梨央さんのどこに惹かれてご結婚されたいと思われましたの?」
意外な質問に縣はやや戸惑ったがすぐに穏やかな眼差しで梨央を見つめながら答えた。
「ご存知とは思いますが、私の父と梨央さんの父上が親友でしてね、私は学生の頃からよくこちらにお邪魔していたのです。…あの頃は梨央さんはまだほんの子供で…けれど梨央さんはお小さい頃からお美しかった…あんなに綺麗な子供を見たのは生まれて初めてでした…」
…縣は昔を思い出すように懐かしそうに語り始めた。
「ドレスもとてもよくお似合いですよ。無理やり押し付けたようで気が引けましたが…」
梨央ははっとした表情をしたがすぐに笑みを浮かべ、礼を述べる。
「…ありがとうございます。縣様にはいつも高価な贈り物ばかりいただいて…恐縮してしまいます…」
スプーンを静かに置き、縣は梨央を見つめる。
「…梨央さんは私の未来の花嫁なのですよ。…本当はもっともっと様々な贈り物をしたいくらいです」
梨央はスプーンを取り落とし、それはかちゃりと音を立てた。
「…し、失礼いたしました…」
詫びてナプキンを握りしめる梨央の白い手が震えている。
綾香はそっと梨央に目をやり、縣ににこやかに笑いかける。
「縣様は梨央さんのどこに惹かれてご結婚されたいと思われましたの?」
意外な質問に縣はやや戸惑ったがすぐに穏やかな眼差しで梨央を見つめながら答えた。
「ご存知とは思いますが、私の父と梨央さんの父上が親友でしてね、私は学生の頃からよくこちらにお邪魔していたのです。…あの頃は梨央さんはまだほんの子供で…けれど梨央さんはお小さい頃からお美しかった…あんなに綺麗な子供を見たのは生まれて初めてでした…」
…縣は昔を思い出すように懐かしそうに語り始めた。