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第12章 美しき薔薇の番人

縣に見られている事実が梨央を否が応でも昂まらせる。
激しく乱れる梨央…。
それはもはや縣の知る梨央ではなかった。
淫らで美しい梨央の表情を見つめるうちに、縣は自分の熱に気づく。
踵を返せば良いのに返せない。

「…ああ…んっ…も…だめ…おねえさま…ね…イッていい…？」
綾香に甘えた口調でねだる梨央。
「…いいわよ…可愛い梨央…我慢しないで、イッて…」
綾香は梨央に優しいキスを贈り、抱きすくめる。
梨央の花芯の奥への愛撫の激しさが増す。
淫らな水音が響く。
「…あ…んんっ…！…はあ…っ…おねえさま…！…イく…イッちゃう…！…あがたさま…みないで…おねが…い…みないで…んんっ…！」
激しく昂まる梨央。
縣の瞳を捉え、却って燃え盛る身体が恥ずかしく、梨央は身悶えしながら、快楽の階を駆け上がる。
「…いや…いや…っ！…イッちゃう！イッちゃう…！…はあ…っ…んんっ…！あ…ああ…っ！」
「…梨央！…愛しているわ！」
梨央が達する瞬間、綾香は梨央の息の根を止めてしまいそうな激しく甘いキスを与える。
「…んんっ…！…おねえ…さま…あ…ああ…」
梨央の華奢な身体が細かく震え、次の瞬間、綾香の身体に身を預け、意識を手放した。

気を失った梨央を綾香は大切に抱きしめ、温室の長椅子に横たわらせる。
雪のように白く透き通る乳房が紅潮し桜色に染まっている。
梨央の淡い下草に覆われた秘所は静かに閉じられていたが、欲情の名残りの甘い蜜が、きめ細やかな太腿に聖水のごとく滴り落ちていた。
絵のように美しく、あまりに淫らな光景だった。
綾香は梨央のナイトドレスの裾や襟をそっと整えてやりながら愛しげに唇にキスをする。

「…ごめんね、縣さん。…こうでもしないと、梨央は貴方を突き放せないと思ったの」
「綾香さん…」
「…でも…縣さんに美しい梨央を見てもらいたかったのも真実…貴方にはその権利があるから…」
縣は、髪をかきあげ、溜息を吐く。
「めちゃくちゃな理論ですね…」
でも…と、縣はまるでお伽話の眠り姫のように静かに眠る梨央を見つめながら続けた。
「…まだ貴方と梨央さんの仲を祝福することはできないけれど…貴方と梨央さんの愛の交歓は美しかった…ひたすらに…」
そう言うと、縣は綾香に紳士らしく黙礼し、温室を後にした。