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帝警備淫夢譚
第4章 矢上マユ、覗いて果てる
同い年だったこともあるけれど、不思議なほど気が合ったのが最大の原因ね。
学生時代の女友達みたい。そうなるまで時間はかからなかった。

ところが…何日か経ったある日。

「あ、私、帝警備の入社試験受かったの(笑)」

「はっ!?どうゆうこと??」

びっくりした。彼女の転職話に、私はかつてないくらい動揺した。

「いやーやっぱね、スキルアップには転職よね!」

何ワケの分かんないこと言ってんのよ!危険なこともあるのよ!
経理部にはないでしょ?
…ない。
別に反対する理由はないんだけど…。その日は一日中動揺してた。

「警護期間が完全に終わったら、私は会社の近くに引っ越そうと思ってるの」

「カレは何も言わないの?」

「何も言ってないよ?自分の人生だから好きにして良いって」

「まあ、そうよね…」

けれど、事件(私にとっての)は彼女が帝警備への就職を報告してくれた直後に起こった。
美和の警護期間が1か月半になり、上司と警護担当者、そして前任の私で継続の要否を判定した時のこと。

結論はこうだ。
これまでの動向と、帝警備への就職が決まったこと等を勘案すれば、警護継続の必要性は乏しい。ただし、念のため彼女の部屋を撮影(実際は盗撮)していたVTRを確認して最終判断する。
VTRの確認は私。女である自分しか該当者がいない。

何の問題もない(と思われる)VTRをダラダラと見るのは退屈だけれど、休暇明けのソフトランディングと思えば悪くない。

早速、仕事に入った。こういう仕事のために作られたカプセルルームに入り、VTRを再生する。ここは完璧な密室空間。今回の私の仕事は温いけれど、砂丘の中からダイヤを探すような仕事もあるのだ。そのために外部をシャットアウトして没頭できるように作られている。
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